本記事について
この記事は、2023年8月23日に弊社の森数美保がVoicyでお話した#76 キャリア戦略を考える上で重要なポイント:経験と能力は別物を元に作成した記事です。キャリア戦略とは、仕事を通じて望む人生を手に入れるための中長期プランです。どのようにキャリア戦略を考えればいいかを今回はお伝えしていきます。
森数美保を初めて知る方はコチラも是非ご一読ください。
キャリア戦略を考える前の準備
経験と能力・スキルを混同して捉えてる人がたくさんいます。これはキャリアの戦略を練る上では分けて、別物として捉えた方がいいです。経験は、”得手・不得手に関係なく事実としてやったこと”です。能力は、”経験を通して得た力、結果にたどり着くスキル”と私は定義しています。経験は、能力を証明するエビデンスにはなりますが、能力やスキルがあることと、イコールにはなりません。経験と能力は別物として考えましょう。
経験:得手・不得手に関係なく事実としてやったこと
能力:経験を通して得た力、結果にたどり着くスキル
キャリア戦略を考える
①経験ベースで情報を整理する
自分にどのような仕事が向いているかを考える時、まずは経験をベースにして整理していきましょう。能力から考えると抽象度が高すぎて、ピンとこないからです。例えば、採用という仕事をでも様々なタスクが存在します。
■数字や企画系の仕事
・採用計画を考える予算の割り振り
・採用するために使う媒体について考える
・会社説明資料の内容を考える
■コミュニケーションを取る仕事
・説明会で大勢の人の前で話す
・採用部署の人たちにヒアリングをする、連携する
・候補者の方と面談面接をする
・一緒に働きたいと思った方にアトラクトする
採用するまでの過程にこれだけの仕事・タスクが存在します。仕事・タスクを書き出してから、どの仕事が自分にとって得意なのか、得意ではないのかを仕分けていきます。仕分ける時は自分の感覚(好きな仕事、ストレスを感じる仕事)で整理していってもよいですが、”結果・成果”をベースに考えることをお勧めします。
結果と言われても、「人に誇れるような成果を出せていない」とおっしゃる方も多いのですが、MVPや目標100%達成といったわかりやすい結果だけを”結果・成果”というわけではありません。課題に対して仮説を立て、アクションをしたら改善された。そんなBefore/Afterが表現できるものは”結果・成果”です。”結果・成果”にどうやってたどり着いたかが能力・スキルに繋がるヒントになります。「これらの仕事を通してこんな結果が出ました。なぜなら…」の”なぜなら”の部分が能力・スキルです。

②能力を活かせるシチュエーションを具体的に言葉にする
「自己PRをしてください。あなたの強みは何ですか?」と聞くと「コミュニケーション力があります」「調整力があります」「信頼関係を構築することが得意です」とおっしゃる方がとても多いです。これらは、全て素敵なスキルですが、どのような場面で活躍できるかイメージしづらく感じます。抽象度が高すぎて、どういったキャリア戦略を取ればいいかわかりません。
”コミュニケーション力”と一言でいっても種類やタイプがあります。私はコミュニケーション力があるかないかでいうと、一般的にはある方だと思います。けれど、一対一のコミュニケーションは得意ですが、画面越しの音声コミュニケーションには苦手意識を持っています。キャリア戦略を考える時はこのように”どのような状況で”と”どのように能力を発揮できるか”といった具体から考えると良いでしょう。
具体に落とし込むと「この仕事とこの仕事は似ているから能力を活かせそうだ」とイメージすることができます。単に「コミュニケーション力があります」という漠然とした言葉ではなく、具体例がある能力の方が、仕事に活かせるイメージが湧きます。

③アナロジー思考を活用する
キャリア戦略を考える上で、”アナロジー思考(※)”は非常に重要だと思います。
(※)アナロジー:培った知識や経験を駆使して”異なる事象”から双方の”類似点”を見つけて応用することです。”1を聞いて10を知る”はアナロジーを応用した能力です。
”異なる事象”の中から”類似点”を見つけるために必要なことは”抽象化”(※)です。
(※)抽象化:複数の事象から”共通点”を抜き出すこと。物事の本質を捉えるための思考法です。

けれども、抽象化だけを考えていると、”類似点”に気づきにくくもなります。実際には具体、すごく細かな個別事象を捉える力もないと、アナロジー思考は使えないと感じてます。抽象化を活用しつつ、やってきたことと得意の共通点を探していき、どの領域をターゲットにするかを選択していくことが、キャリア戦略上はとても大大切です。
一見異なるように見えて実は似ているタスクは仕事の中にとてもたくさんあります。けれども、それに気づくには、事業・職種・市場に対する理解、知識が不可欠です。ですから、信頼できるキャリアのプロをパートナーを見つけて欲しいと思います。
まとめ
あなたのプロはあなたでしかないし、あなたがやってる仕事のプロはやはりあなたです。加えて、キャリアのプロと組むことで、よりキャリア選択の幅が広がり、豊かになると思います。