本記事について

この記事は、2024年2月24日に弊社の森数美保がVoicyでお話した#100 キャリア戦略の考え方と整理方法を元に作成した記事です。今回は、キャリア戦略を考えるためな重要なアウトライン(キャリア軸・価値観軸・条件軸)にフォーカスしてお伝えしていきます。

森数美保を初めて知る方はコチラも是非ご一読ください。

 

キャリア戦略のアウトライン3つ

キャリア戦略を考える上で大切な要素が3つあります。キャリア軸・価値観軸・条件軸です。この3つの組み合わせで目指す未来の方向性と戦略が決まります。「キャリア軸だけで考えるとこの選択がいいんだけど、価値観軸で考えるとこっちだよね」とか、「ライフステージの状況を考えるとこの条件外せないな」となることもあります。

この3つのうち、価値観軸は優先した方がいいと個人的には思います。けれども、合わないとわかりつつも、キャリア軸を優先する選択もアリだとは思っています。実際私も過去に、キャリア軸を優先したことがあります。

大手企業は合わないとわかっていましたが、”大手企業での採用経験というタグ”(キャリア軸)を取ることと、子どもが小さく働く時間(条件軸)を優先したかったため、大手企業に就職しました。次に、事務処理が多い社労士事務所は自分には合わないとわかっていましたが、”社労士実務経験というタグ”(キャリア軸)を取りにいきました。

ライフステージの状況によっては、キャリア軸だけを重視してもフィットしないことがあります。その人の状況・目指す未来の方向性によって取るべき戦略は変わるからです

この辺りの話は、女性のキャリアをテーマにした記事でもお伝えしているので是非ご覧ください。

キャリア軸の考え方

キャリアを考える上で大事なこと、それは、”何をしたいか”より”どう在りたいか”です。何がしたいかという目線で考えると、可能性が狭まるからです。”どう在りたいか”のヒントは過去に眠ってます。まずキャリアを構成する要素は2つあります。”やったこと(経験)”と”能力”です。。

経験:得手・不得手に関係なく事実としてやったこと
能力:経験を通して得た力、結果にたどり着くスキル

経験は、能力を証明するエビデンスにはなりますが、能力・スキルがあることと、イコールにはなりません。混ざりがちですが、全然別物であり、キャリア戦略上は大事な観点となります。

こちらの記事でも経験と能力・スキルの分け方について触れているので、気になる方は是非Chekしてください!

キャリア戦略を考えるポイント

やったこと・経験を書き出す

キャリア戦略を練るために、まず”やったこと(経験)”を書き出しましょう。”やったこと(経験)”を分解したものをピースと呼びます。ピースを書き出すときの粒度は細かいほどいいです。なぜなら、会社によって職種ごとの定義(業務範囲や内容)が大きく異なるからです。それぞれの職種をタスクベースに分解する方法をご紹介します。

■ケース1 営業

なにを(有形、無形?部品、完成品?)
どこに(SMB、エンタープライズ?法人、個人?)
どんな風に(提案~受注まで、カスタマーサクセスまで?)

とタスクを分解して書くとわかりやすいので試してみてください。

■ケース2 採用担当
職種ヒアリング、要件定義、媒体選定、求人作成、エージェントリレーション、面接、部門間調整、オファーレター作成などタスクベースで書き出します。どんな職種をどんな媒体を使って採用していたのかも書いてみましょう。

■ケース3 Webエンジニア
開発言語、手法だけではなく、プロダクトにおける立ち位置を細かく分解していきます。

分解したピースをラベリング

次に分解したピースにラベルを貼っていきます。ラベルの種類は3つです。

■好きなこと
やってて夢中になれること、純粋に楽しいと思えること
■得意なこと
結果が出るイメージが持てること
※実際に結果が出たことではくともOK
■ストレスなこと
できるようになりたいと思えないストレスなこと
※苦手だけど、できるようなりたいものはストレスラベルを貼らない
※ストレスなシチュエーションについても書き出しておく

上記のように、ストレスだったシチュエーションについても書き出すことで、自分が大切にしている価値観が脅かされていることに気づくことができます。自分の価値観を大事にしていくための大きな一歩となります。

価値観軸の考え方

キャリア戦略として良い選択肢だったとしても、違和感がゴロゴロ転がってる場所では長続きしないので、価値観はとても大切です。ですから、どんなピースがある会社や仕事を選ばない方がいいのかまで言語化することがポイントです。避けるべき会社や仕事を言語化することは、仕事で価値発揮できる状況を知ることと同じぐらい大切です。

ラベルを貼っていくと、一つのピースに二つのラベルが貼られていたり、ラベルが全く貼られてないピースがあることに気づくと思います。また、Aという会社では”得意のラベル”を貼っていたピースが、Bという会社では貼られていない。つまり、同じピースなのにいた会社・状況でラベルが変わることがあります。

これは環境による影響と考えると良いです。上司・同僚との相性やその時の状況が影響しているので、その仕事そのものは本来、得意なはずです。状況・組織要因によってラベルに差が出たり、能力発揮がうまくいかなかったピースは、悪い方のラベルを外してしまっても良いと思います。“好きなこと×得意なこと” の割合が多く、 “ストレス” が限りなくゼロに近い仕事が幸福度が高い仕事と言えます。

ラベル無ピース:仕事だからやるけど、好きでも嫌いでもない普通なこと
好き×得意Wラベルピース:あなたが価値発揮できること

このように、やったことを分解してラベルを貼るだけで”キャリア軸”と”価値観軸”の戦略は明確になります。

条件軸の考え方

条件軸には年収だけでなく、働き方という概念も入っています。「キャリア軸と価値観軸を優先する時なのか」「条件軸の中でも働き方を優先する時なのか」は、仕事の内容そのものだけでなく、会社と事業のフェーズによっても変わってきます。

変わってくるというのは、価値発揮の観点でこのフェーズだと合うor合わないという話だけではなく、年収も会社と事業のフェーズによって関係します。会社と事業のフェーズはイコールではないこともあるので、分けて考えることが大事です。会社のフェーズが成熟期だったとしても、関わる事業が立ち上げ期であるということもあります。

例えば、創業期のスタートアップに行きたいけど、給与は下げたくないと思っている人がいたとします。けれど、創業期のスタートアップでは、人件費にコストを割けないケースも多いので、年収が下がる可能性が高まります。ですから、自分が身を置くフェーズの影響はとても大きく、会社や事業のフェーズは忘れてはいけないポイントといえるのです。その時々のフェーズによって最善の選択が変わるということを理解し、まずは過去の整理からスタートしてみましょう。

まとめ

私は、”これまでやってきたこと全てがキャリア”だと捉えています。一見 関係ないように見えることでも、次のチャンスにつながる種であることもあります。「今うまくいかないな」と思っていることがあるとしたら

・好きと得意が重なる部分が少ないのかもしれない
・自分にとってストレスな要素が増えているのかもしれない

そんな風に整理できると、きっと落ち着いて前へ進めます。キャリアについて迷ったり困った時は、キャリアパトローナムを頼ってくれたらと思います。