この記事は、2024年9月4日に弊社の森数美保がVoicyでお話した#126 キャリパトの考える”キャリア面談”のあり方を元に作成した記事です。
キャリア面談は、転職エージェント、社内の1on1、キャリアコーチングでも日々行われています。けれども、一括りにキャリア面談といっても「誰が」「何のために」するかによってその内容はバラバラです。ゲストにキャリパトのキャリア戦略家の手塚 ちひろさんをお迎えし、ユアパト流キャリア面談の在り方についてお話しています。
森数美保を初めて知る方はコチラも是非ご一読ください。
プロフィール

「誰に」「何を」相談するかによって違いがでる!キャリア面談の定義
森数 美保
「キャリア面談」って人によってイメージや認識が異なるし、内容もバラバラなんですよね。手塚さんはキャリア面談を受けた経験はありますか?
手塚 ちひろ
あります!森数さんはもちろん、他の方にもキャリア面談をしてもらったことがあります。その中で、「あなたはどうなりたいんですか?」と聞かれることがとても多いと感じました。
森数 美保
ゴールイメージですね!誰に話を聞いてもらうかによって、キャリア面談で話す内容や目的は変わってくるので、「あなたはどうなりたいんですか?」という質問に答えることは結構難しいですよね。
手塚 ちひろ
そうなんですよ。ゴールが転職することだったら、キャリアのモヤモヤについてではなく、転職するための質問を沢山されるので、自分が相談するよりも聞かれることの方が多く感じました。過去に転職エージェントの方に色々とキャリアについての話を聞かれましたが、自分の中のモヤモヤは解消できませんでした。
以前、森数さんにキャリア面談をしてもらった時は、自分でも何にモヤモヤしているかわからないというレベルから話ができて、安心感があったことが自分の中ではモヤモヤ解消に繋がった理由の一つだと思います。
森数 美保
広義のキャリア面談でいうと、社内で上司との面談や1on1、評価面談もキャリア面談といえます。けれども、評価面談で話せるのはその会社のキャリアについてだけですよね。加えて、自分をジャッジする人に全てをさらけ出して話すことは難易度が高いですよね。
手塚さんが言ってくれたように、転職エージェントで面談を受けると、キャリアアドバイザーは「求人票をその人のために提案してあげなければ」と思うので条件ヒアリングになりがちになのだとは思います。
手塚 ちひろ
確かにそうですよね。「希望年収は?」「マネジメント業務は希望しますか?」といったように条件について聞かれて、相談というよりヒアリングの時間のように感じました。
森数 美保
でも、「こだわりがあって,、やりたいことも決まってて、自分はこれやりたいです」
って言える人は、もしかしたら転職エージェントの方が手っ取り早いかもしれないですね。キャリアアドバイザーに何か質問されても「今後どうしたいかわからないからここに来てます…」という方だと、少し肩身の狭い思いをしてしまいそうですね。
手塚 ちひろ
そうなんですよね。「転職エージェントに相談するには自己分析が足りなかった…」「お時間取ってすみません」って気持ちになりますよね。
森数 美保
「自分が想像していないもっといいキャリアの選択肢があるなら教えてほしい」「転職したいとまでは思ってないけれど、今の仕事に満足しきれないから話を聞いてほしい」という気持ちも皆さんどこかに持っているように感じます。転職エージェントは短期で転職をするかどうかがスタートになるケースが多いので、相談する難しさが増すのではないかと思います。
手塚 ちひろ
それはあるかもしれませんね。キャリアのモヤモヤを解消するという視点からいえば、その人が今まで見えてなかった情報や言葉にできてないなかった考えを言語化した方が「このキャリア面談を受けてよかったです」と言ってもらえることが多いように感じます。森数さんはどうですか?
森数 美保
そう思います。私はよく美容院とか医療美容に例えることが多いのですが、「今よりイケてる自分になりたいんだけど、何をどうしたらいいかわからない」という抽象度が高いテーマがあったとします。そんな時「どうなりたいかわからないと何もできないから事前に決めてきて」と言われたら出鼻を挫かれますよね。
どうすればいいかわからないなりに自分でも考えて「ちょっと鼻を高くしたいです」や「髪の毛もこういう感じでお願いします」と言ったとします。「では、ご希望の通りにしますね」と言われると、それはそれで「本当に私に一番似合ってるのかな?」と不安になりますよね。
もしくは「今のままでいいんじゃないすか?」と言われると「何か変えたい」「何か気付きたくて来たのに」という気持ちになり「そのままでいい」と言われたにもかかわらずモヤモヤすることがあると思います。
面談に来る人は助けてほしいと思って来ているのだから、私たちはプロとして話をしっかり聞いた上で「こういう考えもあるかもしれませんね」など次に繋がる何かを渡して終わった方がいいと、いつも思っています。
手塚 ちひろ
そうですよね。キャリア面談に来た人が「〇〇したいです」と言ってたとしても、実は「事前に話すことを決めて面談に臨まなければ!」と無理をして用意してきた可能性もあるので、話していることすべてが事実ではないこともありますよね。
人にモヤモヤしていることを話すだけでも楽になることもたしかにあります。その上で、プロとして何か伝えられることをお土産として渡してあげたいですよね。
森数 美保
ですよね!「面談の前に自分の答えや目標を用意しなければ」と思う方は多いですよね。そういった心情になる理由は「大人なのにやりたいことを言えないことはよくないんじゃないか…」とか「悩んでいることが恥ずかしい…」という気持ちからかもしれません。
目標がないことは私たちには全く問題ないので、安心してありのままの状態で面談に臨んでいただきたいです。自分を偽って無理に目標を作ったり話す必要はないですよね。
手塚 ちひろ
そうですね。むしろ何か話していくうちに見えてくることの方が多い気がします。
森数 美保
ですよね。なので「言語化できないけど不安とかモヤモヤする」「何をやりたいかわからない」ういう状態の時にキャリパトを思い出してもらえると嬉しいです。
手塚 ちひろ
本当におっしゃる通りですね。自分が何に悩んでるのかわからない段階から相談できるところが、キャリパトのキャリア面談のいいところだと思います。
キャリパト流初回面談~仕事以外の話が大事~
森数 美保
手塚さんが初回でお話する時に、どんなことを話しているか、どんなことを考えているかをご紹介してもらいます。手塚さんは普段どのような初回のキャリア面談を実施していますか?
手塚 ちひろ
もちろん、人によって変えるところはあります。基本的には今までの仕事の話を聞くのですが、仕事以外で大事にしたいことも聞くようにしています。「仕事でどうなりたい?」とかではなく「どう生きてると楽しいと思う?幸せに思う?」とか。
「自分の大事なものとお仕事をどのように共存させていくと、自分としてハッピーなのか」という話をしています。このように仕事以外の話をしてもらい、最後にキャリアのお話をすることが多いかなと今振り返ってみると思います。
森数 美保
それは「何をする」よりも「どういう気持ち、感情になれるとこの人にとって幸せなんだろう」ということが大事だから聞いてるのですか?
手塚 ちひろ
おっしゃる通りです。手段は無限にあると思うのですが、どういう状態になることを一緒に目指せるといいのかなって思っています。ですから「どんなキャリアイメージを持っていますか?」「どういう実績作りたいですか?」とかそういうことはあまり聞いたことがないです。
森数 美保
確かに!その質問をしてしまうと、事前に目標を用意してきた人だった場合、面談のためだけに作られた目標を話すでしょうし。キャリア面談という場であっても、「自分はジャッジされる側」という気持ちで緊張する人って少なからずいますしね。キャリア面談では、その人の生き方や価値観を知ることから始まるので、「緊張しなくて大丈夫ですよ」「ありのままでいいんですよ」って全力で言ってあげたいです。
過去と今の自分に向き合うことで未来が見える
森数 美保
質問する際、Yes/Noよりもオープンクエスチョンの方が良いという一般論がありますが、私はそうは思っていません。オープンクエスチョンは質問される相手に負荷がかかるとても難しい質問手法だと思っているからです。答えられない質問が続くと、ダメじゃないのに「自分はダメだな」と悲しい思いをさせてしまうこともありますし。
Yes/Noクエスチョン以外で答えやすい質問は過去についての質問です。キャリア・仕事・人生において、現在の自分の現在地も未来はもわからなくても、過去に起こったことは事実だから答えられるんですよね。ですから、キャリパトでは必ず過去から整理をしましょうというお話をします。手塚さんもそこを意識して聞いてますか?
手塚 ちひろ
そうですね。最初から「人生とは?」みたいに聞くと具体的な回答がないことが多いと感じます。皆さん話しやすいのは過去や今のお仕事の話で、気持ちが上がったことや落ち込んだことを中心に聞くことが多いですね。
森数 美保
確かに!好きとが得意とか価値観といったポジティブなものへの話って、特に、弱ってる時は出てきづらいですよね。よくキャリアのアプローチだと「好きなものから探しましょう」というアドバイスを見かけますが、探せない時だってありますよね。それだったらどういう時にモヤっとするかを見つける機会にしてもいいですし。そこをから話すだけでも自分の大事なものが見つかることもありますしね。
手塚 ちひろ
おっしゃる通りですね。無理に明るい話題や未来について話すよりかは、すごくしんどかったことや大変だったことをお話いただけるといいと思います。
森数 美保
ですよね!事前用意をキッチリしてこなくても、そのままの状態で本来であれば来てもらいたいですよね。本来の状態でどこまで言語化できそうか、今のことを言語化することが難しかったら時間軸を過去に戻して、話せるところから整理して未来に繋げていくことが、キャリア面談の本来の姿なのではと思います。
手塚 ちひろ
やっぱりそうですよね。過去とか、今についての話はしやすいですしね。
森数 美保
そうなんですよね。レジュメがあった方が話しやすいようだったらそれをベースにお話していただければいいですし、そうでない人はそのまま来てもらってもいいですし。明確なキャリア目標がなくても全く問題ないです。
手塚 ちひろ
人によってゴールも違うと思うので、それを一緒に考える時間にしてもらえたら十分かなと思います。
森数 美保
そうですよね。「やりたいことがない、でもそういうのってあんまりよくないんじゃないかな」って、心のどこかでは思っている人達の気持ちが救われるとか、自分の中に光を見出せるようになるお手伝いを、キャリパトでできるといいなと思っています。
手塚 ちひろ
本当そうですよね。自信をなくされてる方も多いので何か後押ししたり、ひたすら話を聞くとかそういうスタートからでも十分だと思います。
森数 美保
そうですよね。よりライトに色々な人にキャリパトの面談を体験して欲しいということで手塚さんオープンドアを企画してますしね。
手塚 ちひろ
そうなんですよ。オープンドアに興味がある方はぜひお声がけいただけると嬉しいなとも思っています。
森数 美保
もし、他ライトなキャリア面談をしたいという方がいれば、キャリパトの申し込み・お問い合わせフォームから「ラフに相談したいです」「30分だけ相談したいです」と書いてもらえたら、喜んで面談させていただきますので、ぜひこれを機にキャリパトを体験をしてもらいたいと思っています。
まとめ
キャリア面談は本来的には、自分の希望を伝える場ではないと思っています。自分のことってわかっているようでわからないですし。なので、自分の気付かなかった可能性に気づくことや自分の現在地を正しく知ることが何より重要なんだと考えています。
「ありたい姿って言われてもわかんないからモヤモヤしてんだよね」「どうなりたいか聞かれることが苦しくて、誰かにキャリア面談するのってすごいハードル高いな」と思うタイプの方もいらっしゃると思います。そんな方にこそ何の準備もせず、キャリパトの面談に臨んでいただけたら嬉しいです。