「プロダクトマネージャーはビジョナリーであるべき」
前任のCEOが退任し、プロダクト全体を俯瞰する役割へと変更があった際、そう思い込んでいたプロダクトマネージャーのOさん。組織や事業のために奔走してきたものの、自分の気持ちは後回しにしてきた結果、このタイミングで心に違和感を覚えるようになりました。
そして、キャリパトを通じて自分の心の声と丁寧に向き合ったOさんは、次第に状況の変化も相まって転職を意識。ついにはその決断に至ります。
キャリアの一定フェーズにいる方こそ、新たな視点と対話が“本来の自分”に立ち返るきっかけになる―― そんな気づきを得たOさんのストーリーを通して、自分のキャリアの現在地を見つめ直すヒントをお届けします。
役割が広がる中で感じた、自分らしいリーダー像への模索
もともとは大手メーカーで営業企画や営業職に携わっていました。子どもが生まれたことをきっかけに、「もっと柔軟な働き方ができる環境に移りたい」と考え、IT業界に転職。現在の会社にはすでに8年在籍しており、営業・カスタマーサクセス・インサイドセールスを経てマネジメントも経験し、最終的にはプロダクトマネージャーへとキャリアを広げてきました。
そんな中で違和感が芽生え始めたのは、プロダクト全体を統括していた上司(CEO)が退任し、自分がそのポジションの一部を担うことになったタイミングでした。肩書きや責任が広がる一方で、「自分にこの役割を果たせるのか?」「足りない部分があるなら補わなければ…」と悩むようになっていったんです。
今振り返ると、前任の上司を強く尊敬していたからこそ、「自分もあの人のようにならなければ」と無意識のうちに思い込んでいたのだと思います。「常に先を見て、周囲を引っ張っていく強い存在でなければいけない」という理想像に、自分を無理に当てはめようとしていた。その違和感が、少しずつ自分の中で膨らんでいったのだと思います。
「このままでいいの?」に立ち止まった日──運命のnoteとの出会い
キャリパトのことを知ったのは、森数美保さんの『自分のことは自分が一番わからない』というnoteがきっかけでした。どの部分に強く共感したのか、今となってははっきりとは覚えていないのですが、当時の自分には「まさに今、自分に必要な記事だ」と強く胸を打った感覚がありました。
これまでの私は、目の前の仕事に没頭していたこともあって、自分の中の違和感について深く考えることも、立ち止まって見つめ直すこともありませんでした。でも、子どもが大きくなり、少しずつ手が離れてきたこともあり、ようやくキャリアについて落ち着いて向き合えるタイミングが来たのだと思います。
とはいえ、自分ひとりでキャリアの棚卸をするのは簡単ではありません。時間の確保もそうですが、「どう進めればいいのか」も分からず、難しさを感じていました。だからこそ、キャリパトのようなサービスに投資して、強制的にでも自分と向き合う時間を確保すること。それが、申し込んだ当初の一番の目的だったように思います。
「キャリアに自分の希望を持ち込んでいい」――価値観から見えた本当の選択軸
セッションが始まってまず感じたのは、「キャリアに自分の希望を持ち込んでいいんだ」ということでした。これまでの私は、キャリアを考える際に「どうスキルや年収を上げるか」といった育成視点ばかりにとらわれていて、自分の“心地よさ”を軸に考えたことがなかったんです。この気づきは、「価値観ワーク(※)」を通じて得られました。
※価値観言語化ワーク:「自分のこと」「自分の現在地」を知り、自分の価値観を「ありたい姿(パーソナルビジョン)」として言語化していくプログラムです。
特に印象に残っているのは、「自分がやりたくないこと」「避けたい環境」にもしっかり目を向けられたことです。これまで私は、「なんでもやります」が強みだと信じてきましたし、ネガティブなことを考えるのは良くないと思っていました。でも、実はその姿勢がもやもやの一因になっていたのだと気づかされました。
また、「共感力が高いですね」と言われたことも、自分を再発見するきっかけになりました。私は表面上は感情をあまり出さないタイプですが、実際は仲間の本気さや、愚直に課題解決に取り組む姿に強く共感する傾向があります。そうした“熱量が同じくらいの人と働きたい”という価値観にも改めて気づくことができました。
こうした内省を通じて、「どんな環境なら自分が活き活きできるか」「どんな仲間と働きたいか」といった“感覚的な心地よさ”も、選択の大事な軸にしていいんだと思えるようになりました。
以前は「求められていることに応える」ことを最優先にしていましたが、今では「自分のありたい姿」や「心が動くかどうか」を大切にする視点を持てるようになっています。
”こうあるべき”からの解放――役割を背負いすぎない働き方へ
プロダクトを牽引する人は“ビジョナリーであるべき”という思い込みが、どこかにありました。そのイメージに無意識のうちに縛られて、「役割を果たさなければ」という気持ちが強くなっていたんだと思います。
でも、セッションのなかで「こうあるべき」を手放せた瞬間がありました。担当のキャリア戦略家の手塚さんから、「尊敬や憧れを持つのは良いことだけど、必ずしも自分をその枠にはめる必要はない」と言っていただいたことが、大きな気づきになりました。こうした対話を通じて、「ビジョナリーであることも必要だけど、プロダクトを成長させられるのであれば、自分らしいやり方でも構わない」と思えるようになったんです。
それとともに、仕事への力の入れ方にも変化が生まれました。以前は「自分が全部やらなければ」と肩に力が入っていましたが、今は「もっと周囲と役割分担してもいい」と思えるようになりました。必要以上に背負い込まず、自分のペースで取り組む姿勢が自然と持てるようになったと思います。
“準備があるから焦らない”――自然体で進めた転職活動
関わっていたプロダクトに転機が訪れたことで、徐々に新しい可能性について考えるようになり、現在は転職活動に取り組んでいます。キャリパトに申し込んだときには想像していなかった展開に、自分でも驚いています。
セッションを通じて少しずつ自信が持てるようになったことも、後押しになったんだと思います。これまで、幅広い経験をしてきた一方で、「深さがない」と感じていたり、自分の成果が見えにくい職種であることもあり、自信を持てずにいました。でも対話を重ねるうちに、「意外とちゃんとやれている」と自分自身で思えるようになり、自己評価の見直しにつながっていきました。
さらに、職務経歴書(自分企画書(※))もセッション中に作成していたため、新たな選択を考え始めたときには、すでに準備が整っていました。
自分企画書:「自分が何者か」を示すドキュメントで、転職時には職務経歴書にも活用できます。作って終わりではなく、定期的にアップデートすることで「自分が何者か」を語れる状態を保つためのものです。
今も複数社の選考を受けていますが、ワークやセッションで言語化した軸をもとに「自分に合いそうかどうか」を冷静に判断できているため、大きな迷いや焦りを抱えずに進められています。もしキャリパトを利用せずに、一気に転職活動を始めていたら……きっと混乱や不安が大きく、ここまで納得感を持って進めることはできなかったと思います。
信頼できる伴走者がいるから、安心して意思決定できる
キャリア戦略家の手塚さんは、必要以上に寄り添いすぎることなく、「それって具体的にはどういうことなんでしょうか?」といったように価値観を深める問いを投げかけてくれ、「本質的な違和感」に気づく手助けをしてもらえました。
さらに、手塚さんはエージェント経験もあるので、市況感を踏まえた上での気づきや提案をしてくれたことも心強かったです。おかげで、キャリアに新たな可能性が見えたタイミングで、転職活動への移行もスムーズに進められました。
実は、最初に申し込んでいたセッションコースはすでに終了しているのですが、現在は転職活動に関する相談もしたくて、追加でセッションをお願いしています。今後の意思決定や退職交渉についても相談しながら、自分が納得して働ける道を模索していきたいと思っています。
「誰かに相談したいけど、誰に聞いたらいいかわからない」――そんな人にこそ届けたい
今回のキャリパトは、私にとって「自分を理解し直す時間」だったと思います。誰かと対話することで、自分が無意識に避けていた問いや価値観に光が当たり、知らない自分に出会えた気がします。
自分に自信が持てない、次の一歩がわからない――そんなもやもやを抱えている人にこそ、この時間を体験してみてほしいです。キャリアに悩んでいるのに「相談できる相手がいない」と感じている方や、内省したいけれどやり方がわからない方には、まさにぴったりな機会だと思います。
キャリパトを通じて、私は「こうあるべき」から少しずつ自由になり、「私はこうありたい」と思えるようになりました。そしてその感覚は、今後のキャリア選択だけでなく、日々の働き方にも確かに影響を与えています。
担当キャリア戦略家からOさんへの謝辞:1社の中で重要な職責を任されるほど力強い実績を出してこられたからこそ、第三者の視点を得ることに価値を感じてくださったのだと思っています。Oさんはそのフラットな視点、広い視野で自他ともにキャリアを見つめることができるリーダーシップを持っていらっしゃいます!今後も続くOさんのキャリアが自分らしく楽しめるよう、心から応援しています!
まとめ
「求められる自分」に応え続けることは、キャリアにおいてとても大切な姿勢です。 でも、いつしかその頑張りが「自分らしさ」から遠ざけてしまうこともあります。
“こうあるべき”という思い込みを手放したとき、人ははじめて「自分はどうありたいのか」と向き合えるようになる。 キャリパトは、そんな対話を通じて、受講者が自分だけのキャリアの軸を見つけ、納得感ある選択ができるよう伴走していきます。
サービスについてもっと知りたい方や、まずは話をしてみたい方は、ぜひ無料相談をご活用ください。お待ちしています。