「過去を振り返ることで、自分が大事にしたいものを見直せたんです。これからは自分らしいキャリアを築いていけると思いました」

そう語るのは、人材紹介会社で入社者のオンボーディング支援に携わりながら、社員のキャリア相談にも応じている金本幸子さん。実は、同じ会社に3度入社するというキャリアを歩んできました。

「過去の転職先になぜ馴染めなかったのか…」「人のキャリアは支援してきたのに、自分のことはわからない…」。このような違和感を抱えた彼女が、どのようにして自分の軸を見つけ、前へと進んでいったかをお届けします。

なお、金本さんは参加当初から転職する気持ちは一切ありませんでした。そんな彼女が、結果的に「自分らしいキャリアとは」という視点を手に入れていく過程は、転職を考えていない人にこそ参考になるかもしれません。

チャレンジと失敗――でも今ならわかること

私のファーストキャリアは、人材紹介会社からスタートしました。法人営業、キャリアコンサルタントを経て、現在は人事系の部署でキャリア採用入社者のオンボーディングを主に担当しています。

でもこの会社、実は3回入社しています。 プロジェクトマネジメントスキルの強化を目的とした転職、DX業界の知識を身に着けるための転職——。いろいろな理由で離れたのですが、戻ってきました。

ミスマッチを感じていましたが、「自分が選んだチャレンジを正解にしたい」と思いもがいていました。 でも求められていることにうまくはまっていない感覚に苛まれていたんです。

人のキャリアを支援する立場にいながら、自分のことになると「こんなはずじゃなかった」という思いを払拭できない。今現在は、一社目の会社に戻り、違和感を感じることなく働けています。でも、心のどこかでいつも「どこで間違ったんだろう」「なぜ自分は馴染むことが出来なかったんだろう」と、あの失敗の原因を分析したいと思う日々を送っていました。

「失敗を糧にしたい」の一歩が、私を変えた

「あの失敗に向き合いたい」という思いはありつつも、ひとりでは「考えが浅かった」「スキル不足だった」と自分を責めるだけに終わってしまう。失敗を糧にするためには説明可能なロジックが欲しいと考えていました。そんなとき、会社の先輩だった森数美保さんをきっかけに、キャリパトのグループプログラムの存在を知りました。

 「選べる自分になる」というコピーに、最初は引っかかりがありました。もう転職する気持ちはなかったので、「いやいや、私はもう選ぶことはないけど?」と。
ただ、その一方で「3回にわたってグループプログラムを行う」という内容には惹かれました。年齢的にもキャリア的にもミドルに差し掛かると、未来のことは考えても、過去を振り返るなんて絶対やらないだろうなと思ったからです。

キャリパトの説明を受け、 このプログラムならなぜ失敗したのか答えを見つけられるかもしれないと思い、参加を決めました。

対話がくれた癒しと新たな視点

グループプログラムの仲間は、麻酔医、エンジニア、物流のプロなど、普段私が出会わないような職種の方ばかりでした。最初は「世界観が違うなあ」と思っていたけれど、自己分析を続けていくうちに、それぞれの人生ストーリーに惹き込まれていきました。

相手の価値観を聞きながら、「私にも似た感覚あるかも」と気づいたり、 逆に「それは考えたことなかった」と視野が広がったり。グループだからこそ得られる共感やズレの中に、自分が大事にしたいものが浮かび上がってきたように感じています。

印象的だった出来事は、受講生である麻酔医の先生が「金本さんのいう”成長痛”っていい言葉ですね」と言ってくれたことです。普段は痛みを取り除く立場の先生の言葉に「この痛みは成長に必要な痛みなのかもしれない」とポジティブに受け取ることが出来ました。

普段、人の相談に乗ることはあっても、誰かに相談に乗ってもらいアドバイスをもらうことはごくわずか。グループプログラムの仲間からもらう言葉に少しずつ癒されました。

また、人材紹介という職業柄、求人提案を見据えてキャリア相談に乗ることが大半。でも、この場にはそんなゴールもない。求人市場から求められる価値観ではなく、受講者の内面の価値観を見つけるためのアドバイスをし合える点も魅力的に思えました。

感情の整理が過去に向き合うカギ

プログラム開始当初は、「感情にフォーカスした自己分析だなぁ」と戸惑っていました。自己分析とはスキルの棚卸しだというイメージがあったし、このプログラムのゴールは内定を獲得する職務経歴書を作ることだと思っていたからです。

でも、納得する瞬間はすぐに訪れました。それは、最初のプログラム「経験のピース化とラベリング(※)」の時のことです。

経験のピース化とラベリング:事前に受講者の経歴と仕事内容を書き出し、3つのラベル(好き、得意、ストレス)を貼るワークを実施。グループプログラムでワークを元にラベルを貼った理由やラベルの意味付けを確認し価値観や思考の癖を紐解いていきます。

これまで、退職することになった会社の業務内容をミスマッチだと感じていました。でも、プログラムを通して、そこでの経験を分解してラベルを貼っていくと、実はすべてが嫌い、不得意だったわけではないことに気付きました。「商材には興味を持てなかったけど、企業文化は好きだった」「苦手な業務もあったけど、やりがいを感じ、評価されたこともあった」など、感情の棚卸しができたんです。

また、キャリア戦略家の北山さんに「環境要因に左右されるようですね」とフィードバックをもらった時に、ハッとしました。

企業文化やインナーコミュニケーションなどの環境要因が仕事の実績に大きく影響するタイプだとは自分では思っていなかったからです。グループメンバーからの視点もとても参考になりましたが、キャリア戦略家からの助言からは大きな気付きを得ました。

大事にしたい仕事の進め方──価値観ワークがくれた答え

経験のピース化とラベリングの次のプログラム、「価値観ワーク(※)」で、失敗の原因を見つけることができました。

※価値観言語化ワーク:「自分のこと」「自分の現在地」を知り、自分の価値観を「ありたい姿(パーソナルビジョン)」として言語化していくプログラムです。

ずっと、スキル不足だと思い込んでいました。 しかし、私がしんどかったのは、自分の価値観がマッチしていない仕事を選んだからでした。 

たとえば、DXのプロマネに就いたとき、クリエイティビティよりも作業手順書通りに進め、着実に工数内に納めることが重要視されていました。緻密な逆算思考にうまくはまっていなかったことにもがいていたのです。本来の私は着想しながら0→1でものづくりをし、150%のクオリティをオーダーメイドで目指すような探索型の世界観の中でこそ力を発揮できるタイプ。

プロジェクトマネジメントスキルを強化すれば求人市場の需要に対応できるのかもしれないと思って選んだのですが、そもそも自分の仕事の価値観と相性が良い職種ではなかったのです。

「どこで間違ったんだろう」「なぜ自分は馴染むことが出来なかったんだろう」に答えを出すことが出来たと同時に、自分と相性が良い職種や磨くべきスキルは他にあるのかもしれないと心から納得できたのです。

自分らしいキャリアを正確に伝えるために

最後のプログラムでは、「自分企画書(※)」を作成しました。 

自分企画書:「自分が何者か」を示すドキュメントで、転職時には職務経歴書にも活用できます。作って終わりではなく、定期的にアップデートすることで「自分が何者か」を語れる状態を保つためのものです。

ほとんどの方は、職務経歴書のことを受かるためのスキルのプレゼン資料だと考えていると思います。私もそう思っていました。しかし、キャリパトの提供してる価値はそうではありません。自分が最大限活躍できる状態は、「スキルと価値観がセットで発揮されたとき」なので、スキルだけでなく、価値観も反映された職務経歴書でなければ不充分なのです。

ここでも印象に残っているのが、キャリア戦略家の北山さんからの問いかけです。「これが出来ます!(スキル)」と書いたキャリアサマリーに対して、「それがやりたいことなんですかね?(価値観)」とフィードバックをもらい、再び推敲することが出来ました。

キャリパトのキャリア戦略家は、こうした小さな違和感を見逃さず、逐一アドバイスや気づきを与えてくれました。そのおかげで自分自身を正確に伝えられているかを見直すことができます。こうして「自分らしいキャリア」が言語化できました。

キャリアの節目を迎えるすべての人に知って欲しい——自分と向き合う時間の大切さ

もし、受講前の自分に声をかけられるとしたら、私はこう言います。

「早くキャリアのプロに相談して」

なぜなら、当時の自分に「スキルアップだけを目的とした転職は私の生存戦略としては不向きだよ」と助言したところで、おそらく理解できないからです。あの頃の私は、求人市場の需要を優先して、自分の価値観を後回しにしていました。自分が選んだチャレンジを正解にするためには、過去の自分が充実していた仕事の進め方や違和感に手掛かりがあります。未来は過去の延長線上なのですから。

キャリパトのグループプログラムは、ただのキャリア講座ではありません。人生の選択の軸を整理するための時間です。転職を前提としていないこのプログラムだからこそ、今後の人生にわたって有意義な時間になるはずです。

もし、あの時キャリパトに出会っていたら、未来は変わっていたかもしれない。「こんなはずじゃなかった」という思いをしないよう、キャリアの変わり目が訪れる前にプロと一緒に向き合ってほしい。心からそう思います。

担当キャリア戦略家から金本さんへの謝辞:
ストレスやネガティブなことへと果敢に取り組んで行った金本さん。自分が失敗したと思うことをもう一度深めるって精神的に負担が大きい作業だと思うのですが、そこからご自身のビジョンや方向性につながっていて、さすがだなと思いました。また、越境をテーマに他の方の視点をとりいれていたことも印象的でした。今後金本さんがどんな領域に越境されご自身の大事なことを守りながらも幅を広げられていくのか、とても楽しみです!

まとめ

選べる自分であるためには、一定選ばれることも大事。でも、選ばれることばかりを優先していると、自分にとって本当に大事な価値観を見落としてしまうかもしれません。キャリパトはこのバランスを取りながら、受講者がありたい未来を描けるよう全力でサポートしていきます。

・キャリアチェンジを考えている方

・何かの専門性をつけたいと思っている方

・直近の転職でしっくり来ず、こんなはずじゃなかったと思っている方

そんな想いや迷いを抱えているなら、ぜひキャリパトのグループプログラムに参加してみてください。自分の心の声に耳を傾けながら、後悔の少ない、納得できるキャリア選択ができるはずです。

たとえ、その選択が“転職しない”というものであったとしても、きっとその決断に自信が持てるはずです。キャリパトは、そんな「選ばない勇気」と「今を肯定する力」を育む場でもあるのです。

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